「民泊を始めるには、どこかから許可を取る必要があるの?」
「個人でも民泊の許可申請はできる?」
「住宅宿泊事業の届出と旅館業の許可は何が違う?」
これから民泊を始めようとしている方にとって、特に分かりにくいのが「許可・届出・認定」の違いです。
結論からいうと、有料で民泊を営業する場合、原則として法律に基づく手続きが必要です。
ただし、すべての民泊が「許可」を取得するわけではありません。
民泊を営業する主な3つの方法
- 住宅宿泊事業法(民泊新法):自治体への届出
- 旅館業法(簡易宿所など):営業許可
- 特区民泊:自治体の認定
つまり、一般的に「民泊の許可」と検索されますが、自分が選ぶ制度によって必要な手続きが異なります。
この記事を書いている私は、高知県高知市で一軒家民泊「民泊とりごえ」を実際に運営しています。
民泊とりごえは旅館業法の「許可」ではなく、住宅宿泊事業法に基づいて高知市へ届出を行って営業しています。
届出番号はM390036816です。

この記事では、実際に民泊を開業した経験を交えながら、民泊の許可・届出・申請方法、必要書類、消防手続き、許可なしで営業するリスクまで分かりやすく解説します。
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「民泊とりごえ」を実際にゼロから開業・運営してきた経験をもとに、ネットの記事だけでは分かりにくい実務を1冊にまとめています。
- 民泊開業までの実際の手順
- 自治体・消防への確認ポイント
- 管理会社・清掃会社の役割分担
- 実際に使用している清掃チェックリスト
- 部屋ごとの備品一覧・補充方法
- 遠隔で民泊を運営する方法
- 開業後に起きたトラブルと対処例
完成後、このページでもご案内する予定です。
※本マニュアルは買い切り型のデジタル商品を予定しています。個別相談・個別のご質問への回答は商品に含まれません。
結論|民泊には「許可・届出・認定」のいずれかが必要
有料で宿泊サービスを提供する民泊を営業する場合、基本的には法律に基づく手続きが必要です。
代表的なのが、次の3つです。
| 制度 | 必要な手続き | 営業日数 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 住宅宿泊事業法 (民泊新法) | 届出 | 年間180日以内 | 住宅を利用して民泊を始めやすい |
| 旅館業法 (簡易宿所など) | 営業許可 | 原則180日制限なし | 年間を通して宿泊事業を行いやすい |
| 特区民泊 | 認定 | 上限なし | 対象となる国家戦略特区で利用できる |
このため、「民泊の許可を取りたい」と考えている方は、まず自分がどの制度で営業するのかを決めることから始めます。
Airbnbなどへ物件を掲載できるかどうかと、法律上その物件で民泊を営業できるかどうかは別の問題です。先に自治体や消防署へ確認しましょう。

編集部コメント
私も民泊を始める前は「役所から民泊の許可を取る」というイメージでした。実際には住宅宿泊事業法を選んだため、高知市へ行ったのは営業許可の申請ではなく住宅宿泊事業の届出です。
民泊の許可・届出・認定の違いを比較
どの制度を選ぶかによって、営業できる日数や物件に求められる条件が変わります。
| 比較項目 | 民泊新法 | 旅館業法 | 特区民泊 |
|---|---|---|---|
| 手続き | 届出 | 許可 | 認定 |
| 営業日数 | 年間180日以内 | 原則制限なし | 上限なし |
| 対象地域 | 全国 | 全国 | 対象となる特区のみ |
| 主な窓口 | 都道府県・保健所設置市など | 保健所など | 対象自治体 |
| 向いている人 | 住宅を活用して民泊を始めたい人 | 年間を通して営業したい人 | 特区内で条件を満たせる人 |
どれを選べばよいか迷う場合は、物件を決める前に所在地を管轄する自治体へ相談するのがおすすめです。
民泊開業全体の流れについては、関連記事「民泊の始め方を7ステップで解説」でも詳しく紹介しています。
住宅宿泊事業法なら「許可」ではなく届出をする
一般的な一軒家や自宅を活用して民泊を始める場合、選択肢の一つとなるのが住宅宿泊事業法(民泊新法)です。
住宅宿泊事業法では、旅館業の営業許可を取得するのではなく、住宅の所在地を管轄する都道府県知事等へ届出を行います。
年間180日以内で営業する
住宅宿泊事業法による民泊では、人を宿泊させられる日数は年間180日以内です。
さらに自治体の条例によって、地域や曜日などに追加の制限が設けられている場合があります。
「180日まで営業できる」という意味であり、どの地域でも必ず180日営業できるとは限りません。自治体条例も確認してください。
台所・浴室・便所・洗面設備が必要
住宅宿泊事業法の対象となる住宅には、設備要件があります。
- 台所
- 浴室
- 便所
- 洗面設備
さらに、現に生活の本拠として利用されている住宅、入居者を募集している住宅、随時居住に利用されている住宅など、法律上の居住要件も満たす必要があります。
家主不在型では住宅宿泊管理業者への委託が必要になる
住宅宿泊事業者が宿泊者の滞在中に不在となる場合などは、原則として登録された住宅宿泊管理業者へ管理業務を委託します。
- ゲストへの対応
- 宿泊者名簿の管理
- 苦情への対応
- 届出住宅の維持・管理
民泊とりごえも家主不在型なので、住宅宿泊管理会社と契約して運営しています。
年間180日を超えて営業するなら旅館業法の許可を検討
年間180日を超えて宿泊事業を行いたい場合は、住宅宿泊事業法ではなく、旅館業法による営業許可を検討することになります。
民泊で利用されることが多いのが、旅館業法上の簡易宿所営業です。
旅館業法は営業施設所在地を管轄する保健所などへ相談する
旅館業の許可申請は、使用予定の施設が所在する都道府県や保健所設置市、特別区などで受け付けています。
自治体ごとに条例や必要な手続きが異なることがあるため、物件購入・賃貸契約・リフォーム工事を行う前に事前相談しておくのがおすすめです。
建築基準法や消防法の確認も必要
旅館業の許可だけを考えればよいわけではありません。
あわせて確認したい項目
- 用途地域
- 建築基準法
- 消防法
- 自治体条例
- 賃貸借契約
- マンション管理規約
建物によっては消防設備の設置や用途変更に関する手続きが必要になる場合があります。
特区民泊は対象地域で自治体の認定を受ける
国家戦略特区のうち、特区民泊を実施している対象地域では、自治体の特定認定を受けて民泊を営業する方法もあります。
住宅宿泊事業法と異なり年間180日の上限はありませんが、対象地域が限定されています。
また、条例で定める最低宿泊日数などの要件を満たす必要があります。
特区民泊の主な特徴
- 実施できる地域が限られている
- 自治体による認定が必要
- 年間180日の営業日数上限がない
- 条例で定める最低宿泊日数などの条件がある
特区民泊を検討する場合は、物件所在地の自治体が制度を実施しているかを最初に確認しましょう。
民泊の許可・届出を取るまでの流れ
ここでは住宅宿泊事業法を中心に、民泊を始めるまでの基本的な流れを紹介します。
| STEP | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 制度を決める | 民泊新法・旅館業法・特区民泊を比較 |
| 2 | 自治体へ事前相談 | 条例・物件条件・必要書類を確認 |
| 3 | 消防署へ相談 | 必要な消防設備を確認 |
| 4 | 管理体制を作る | 家主不在型なら管理業者を検討 |
| 5 | 消防設備・書類を準備 | 図面や証明書類などを揃える |
| 6 | 届出・許可申請 | 選んだ制度に応じて手続きをする |
| 7 | 届出番号・許可等を確認 | 完了後に営業準備を進める |
最初に自治体へ相談する
最初にやるべきことは、インターネットで書類を集めることよりも、物件所在地を管轄する自治体へ相談することです。
住所や建物の種類、運営方法を伝えることで、どの制度が利用できそうか、どの部署へ相談すればよいかを確認できます。
次に消防署へ相談する
自治体と並行して確認したいのが消防署です。
物件の構造や家主の居住状況などによって、必要となる消防設備が変わる場合があります。
家具や家電を購入するより先に、消防設備にどれくらい費用がかかるか確認しておくと資金計画を立てやすくなります。
必要書類を揃える
自治体と消防の確認が済んだら、住宅の図面や登記事項証明書など、届出に必要な書類を揃えていきます。
民泊制度運営システムなどから届出する
住宅宿泊事業の届出は、原則として民泊制度運営システムを利用して行います。
ただし、自治体によって事前相談や書類確認の進め方が異なる場合があるため、自治体の案内に従って進めましょう。
民泊新法の届出に必要となる主な書類
住宅宿泊事業法で個人が民泊を始める場合、主に次のような書類を用意します。
| 書類 | 主な内容 |
|---|---|
| 住宅宿泊事業届出書 | 届出者・住宅・管理方法などを記載 |
| 住宅の登記事項証明書 | 住宅の登記情報を確認する書類 |
| 住宅の図面 | 間取り・設備・床面積などを記載 |
| 誓約書 | 欠格事由に該当しないことなどを確認 |
| 賃貸人の承諾書 | 賃貸物件で必要となる場合がある |
| 管理規約など | 区分所有マンションの場合に確認 |
| 管理受託契約書面 | 管理業者へ委託する場合 |
| 消防関係書類 | 自治体・消防の案内に従って準備 |
必要書類は届出者や住宅の条件によって異なります。
ネット上の必要書類一覧だけを見て準備を始めるのはおすすめしません。最新の必要書類は、必ず届出先の自治体へ確認してください。



編集部コメント
私も実際の開業時には、住宅の登記事項証明書や図面など複数の書類を用意しました。途中で「次はこの書類が必要」と分かることもあるので、自治体担当者と確認しながら一つずつ進める方が早いです。
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「民泊とりごえ」を実際にゼロから開業・運営してきた経験をもとに、ネットの記事だけでは分かりにくい実務を1冊にまとめています。
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- 自治体・消防への確認ポイント
- 管理会社・清掃会社の役割分担
- 実際に使用している清掃チェックリスト
- 部屋ごとの備品一覧・補充方法
- 遠隔で民泊を運営する方法
- 開業後に起きたトラブルと対処例
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民泊の許可・届出では消防署への確認も重要
民泊の許可や届出を進めるうえで、役所と同じくらい重要なのが消防署です。
宿泊施設として利用することで、建物に必要となる消防設備が変わる場合があります。
民泊で確認することがある消防設備の例
- 自動火災報知設備
- 消火器
- 誘導灯
- 非常用照明器具
- 避難経路の表示
ただし、必要な設備は建物の構造・面積・家主の居住状況などによって異なります。
「一軒家ならこの設備」「マンションならこの設備」とネット情報だけで決めず、管轄消防署に図面を見せて確認しましょう。
賃貸・マンションで民泊をする場合は所有者や管理規約も確認
自治体から民泊の届出や許可を受けられる可能性があっても、賃貸借契約やマンション管理規約で民泊が禁止されている場合があります。
賃貸物件はオーナーの承諾を確認する
賃貸物件で住宅宿泊事業を行う場合は、住宅宿泊事業を目的とした転貸について賃貸人の承諾が必要となるケースがあります。
- 賃貸借契約を確認する
- 転貸禁止条項を確認する
- 民泊利用について貸主に確認する
- 必要なら承諾書を取得する
分譲マンションは管理規約を確認する
分譲マンションの場合は、専有部分で民泊を行えるか管理規約を確認します。
規約に民泊について記載がない場合でも、管理組合が民泊を禁止する方針を決議していないか確認が必要となる場合があります。
「自分が所有している部屋だから自由に民泊できる」とは限りません。区分所有マンションでは管理規約を必ず確認しましょう。
民泊を許可なし・届出なしで営業するとどうなる?
必要な手続きをせずに宿泊料を受け取り、反復継続して人を宿泊させる営業を行うのは避けなければなりません。
住宅宿泊事業法による届出や特区民泊の認定などの対象でない場合、旅館業を行うには営業許可が必要です。
旅館業法では、無許可で旅館業を営んだ場合、6ヶ月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、もしくはその両方が科される可能性があります。
「宿泊料」ではなく「清掃費」「体験料」など別の名称にすれば手続きが不要になるわけではありません。実質的に宿泊サービスへの対価である場合は注意が必要です。
Airbnbなどへ掲載する前に、自分の物件がどの制度に該当するのかを確認しましょう。
民泊の許可・届出には資格が必要?個人でも申請できる?
住宅宿泊事業者になるために、宅地建物取引士などの特定資格が必須というわけではありません。
個人でも条件を満たせば住宅宿泊事業の届出を行い、民泊を運営できます。
実際に民泊とりごえも個人で開業準備を進め、市役所・消防署・管理会社・清掃会社などと調整しながら届出を行いました。
ただし、家主不在型など一定の場合には住宅宿泊管理業者への委託が必要になるため、「個人で届出できる=すべて自分一人で運営できる」ではありません。
【実体験】民泊とりごえが届出番号を取得するまで
ここからは、私が実際に民泊とりごえを開業したときの流れを紹介します。
民泊とりごえでは住宅宿泊事業法による届出を選びました。
| 時期 | 実際に行ったこと |
|---|---|
| 2023年5月24日 | 住宅宿泊管理会社へ問い合わせ |
| 5月25日 | 高知市役所へ民泊について相談 |
| 5月26日 | 都市計画・建築・消防について確認 |
| 6月 | 必要書類の準備、管理会社・清掃会社との調整 |
| 8月 | 誘導灯・非常用照明器具・火災報知設備などを設置 |
| 10月11日 | 消防の完成調査に合格 |
| 10月17日 | 消防法令適合通知書を取得 |
| 11月8日 | 住宅宿泊事業の届出番号を取得 |
| 12月2日 | Airbnbのリスティングを公開 |
結果として、準備を始めてから届出番号を取得するまで約5ヶ月半、Airbnbを公開するまで約6ヶ月かかりました。
特に時間がかかったのは、消防署への相談・消防設備の設置・完成調査です。



編集部コメント
今振り返ると、一番やってよかったのは早い段階で高知市役所と消防へ相談したことです。ネットで調べ続けるより、物件の住所と図面を持って担当部署へ確認した方が一気に話が進みました。
現在は高知市から届出番号M390036816を取得し、住宅宿泊事業法に基づいて運営しています。
民泊の許可についてよくある質問
Q1:民泊は許可なしでもできますか?
有料で反復継続して宿泊サービスを提供する場合、原則として何らかの法律上の手続きが必要です。
住宅宿泊事業法による届出、旅館業法による許可、特区民泊の認定など、自分の営業方法に合った手続きを行います。
Q2:民泊の許可はどこで取りますか?
選ぶ制度や物件所在地によって窓口が異なります。
旅館業法の営業許可は施設所在地を管轄する都道府県や保健所設置市・特別区など、住宅宿泊事業は都道府県知事等への届出となります。
まず物件所在地の自治体へ「この物件で民泊を始めたい」と相談するのがおすすめです。
Q3:Airbnbに掲載するだけなら民泊の許可は不要ですか?
Airbnbへ掲載することと、法律上適法に営業できることは別です。
実際に宿泊料を受けて営業する場合は、自分の民泊に必要な届出・許可・認定を確認してください。
Q4:自宅で民泊をする場合も許可は必要ですか?
自宅だから無条件で営業できるわけではありません。
住宅宿泊事業法を利用する場合は住宅宿泊事業の届出を行うなど、営業形態に応じた手続きが必要です。
Q5:民泊の許可申請に資格は必要ですか?
住宅宿泊事業者として届出するために、宅建士などの資格が必須というわけではありません。
個人でも民泊を始めることは可能です。
Q6:民泊の許可・届出にはどれくらい時間がかかりますか?
物件の状態や消防設備、自治体、選択する制度などによって大きく異なります。
民泊とりごえの場合は、2023年5月に準備を始め、同年11月8日に住宅宿泊事業の届出番号を取得しました。
特に消防設備の工事が必要な場合は、余裕を持って準備することをおすすめします。
Q7:民泊新法なら消防署への手続きは不要ですか?
いいえ。民泊新法でも消防法令への適合確認は重要です。
必要となる設備は物件によって異なるため、届出住宅を管轄する消防署へ事前に相談しましょう。
まとめ|民泊の許可を取る前に自分が使う制度を決めよう
「民泊には許可が必要」と一括りにされることがありますが、実際には営業方法によって必要な手続きが異なります。
| 制度 | 手続き | 覚えておきたいポイント |
|---|---|---|
| 住宅宿泊事業法 | 届出 | 年間180日以内 |
| 旅館業法 | 許可 | 年間を通して営業する場合などに検討 |
| 特区民泊 | 認定 | 対象地域・宿泊日数などの条件あり |
どの制度を利用する場合でも、最初に物件所在地の自治体と消防署へ相談することをおすすめします。
物件を購入したり、高額なリフォームや家具購入をしたりした後に「この条件では営業できない」と分かるのが最も避けたいパターンです。
民泊開業までの全体の流れを知りたい方は「民泊の始め方を7ステップで解説」も参考にしてください。
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こちら有料での販売となります
「民泊とりごえ」を実際にゼロから開業・運営してきた経験をもとに、ネットの記事だけでは分かりにくい実務を1冊にまとめています。
- 民泊開業までの実際の手順
- 自治体・消防への確認ポイント
- 管理会社・清掃会社の役割分担
- 実際に使用している清掃チェックリスト
- 部屋ごとの備品一覧・補充方法
- 遠隔で民泊を運営する方法
- 開業後に起きたトラブルと対処例
完成後、このページでもご案内する予定です。
※本マニュアルは買い切り型のデジタル商品を予定しています。個別相談・個別のご質問への回答は商品に含まれません。
民泊とりごえについて
民泊とりごえは、高知県高知市にある一棟貸しの民泊施設です。
住宅宿泊事業法に基づいて高知市へ届出を行い、届出番号M390036816を取得して運営しています。
オーナーは東京在住のため、住宅宿泊管理会社・地元清掃会社と連携しながら遠隔で運営しています。
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